先日の快晴の朝、ショールームに一人の男性が姿を現しました。
いつお会いしてもニコニコとステキな笑顔のその男性は
「GENROQ」・「モーターヘッド」・「911マガジン」などクルマ好き
輸入車好きを自負される方なら聞いたことがある、手に取ったことがある
カー雑誌。そのカー雑誌に寄稿する自動車ライターの加賀 啓伺氏です。
その加賀氏にFIAT QUBOに乗って頂いて、率直な意見を書いて頂きました。
是非読んでみてくださいワクワクしますよ
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現在、我が家ではフォルクスワーゲンPoloの購入を検討している。
そんなタイミングでイタリアンミニバンのフィアットQUBO(クーボ)の試乗の機会を与えていただいた。
ちなみにお借りしたのは夏休みが終わり、子どもがいる家庭が日常を取り戻した9月の初め。
うちの子どもは双子の男のコ。彼らを学校へ送ったりと、そんな普通の生活の中で使ってみるとどうなのだろう!?ということを意識しながら乗ってみた。
今回のグレードは1.3 Multijet、つまり1.3リッターの直列4気筒ディーゼルターボを積む車両。
75psの最高出力を4,000回転で、19.4kg-mの最大トルクをわずか1,500回転でそれぞれ発生する。
ミッションはシングルクラッチのデュアロジックだ。
若干硬めのシートに座り、ステアリングに手を添える。
斜めに傾いたステアリングを胸と下腹の中間辺りで抱えるようなポジションはクラシックMINIのよう。
全長4mを切るコンパクトなサイズだから、こういった努力により膝元のスペースを稼いでいるのだろう。
デュアロジックをまずはAUTOモードにして走り出す。
信号スタートで普通に加速すると2,000回転ほどで1速から2速へと変速。
変速時の回転数が想像していた以上に低い。
「ンンンモ~・・・」というシングルクラッチ特有のあの感じがあり、2速へエンゲージ。
そして2速から3速へも2,000回転ほどでチェンジ。
そのまま引っ張っていくとここでは若干引っ張る感じがあり、3,000回転近くで4速へと変速された。
このシフトプログラム、おそらくは燃費を重視したものなのだろう。
次にシフトノブを左へクリックしてマニュアルモードへ。
スタートでアクセルをグッと踏むと「急発進です。安全運転を心掛けましょう」というアナウンス。
こりゃ失礼しました。でも思いの他パワフルに加速することが分かった。
3,000回転ほどでシフトレバーを手前に引いて2速へ。
変速時にタイミングを合わせてアクセルを一瞬抜くことで違和感のない走りが可能となるシングルクラッチ特有の走り方で次々にシフトアップしていく。
2,000回転も回っていれば3速でも4速でも十分加速していく。
一旦流れに乗ってしまえば、交通の流れを十分リードできるぐらいの速さだ。
これで本当にたった75psなの!?
高速に乗って100km/h巡航を試みる。
回転数は5速2,400回転ほど。十分過ぎるほど静かだった。
高速を下りて公園の駐車場に入る。
ギアをリバースに入れて駐車。
初めて乗るクルマなのに両サイドのミラーだけで一発で白線のド真ん中におさまった。
この取り回しのしやすさも特筆モノだ。
子どもが乗った時のことを考えてリアシートにも座ってみた。
まず両側ともにスライドドアというのがイイ。
これなら狭い場所でも隣のクルマにドアをぶつける心配をしないで済む。
166cmの筆者(座高は高め!?)がリアシートに座ってみた場合、頭上のスペースはちょうど20cmほど。
予想していた以上に余裕があった。
薄いグレーの天井と相まって圧迫感はまったくない。
足元のスペースが広々しているのも好印象だ。リアガラスから見る視界も十分広い。
フロントシート用、リアシート用のガラスが大きめなのに対し、リアクォーターガラスは小さめ。
前を向いて運転していると開放感たっぷりだが、ルームミラーを通して後ろを見てみると包まれ感もあるのはこのことと関係がありそうだ。
その瞬間、フと先輩が乗っていた初代エスティマを借りてキャンプに行った道中を思い出した。
あいつもこれに似た安心感があった。
エンジンを掛けたまま車外に出た時はディーゼル特有のカタカタという音が確かに聞こえたのに、車内に乗り込むと全く聞こえないのも印象的だった。
その2へ続く