GPに関わる作業は、レースの日曜日に開始されるわけではありません。水曜日にサーキットに脚を踏み入れた瞬間から注意深く関わらなければならない事項がいくつもあります。世界で最もスリリングなレースの1つに勝ちたいのであれば、すべての詳細を慎重に見直さなければなりません。
バイクの絶え間ない発展に貢献するために情報は非常に重要です。
1.テスト・プランニング
時は刻々と過ぎ、ムダにすることなく、チームはバイクの仕様を調整する準備をしています。
FP1の間にテストに何をするか?
アスファルトの状態は?
天気はどんな影響を与えそうか?
これらの質問にすべてテクニカルチームが答えなければなりません。チームは各セッションの戦略とレースを計画します。バイクのテレメトリ、フレーム、その他のコンポーネントは、レースのニーズに合わせて調整されています。
2.タイヤのチョイス
正しいタイヤ選択は、いつも戦略を計画するのに最も重要な部分の1つです。タイヤはバイクと路面との接点であり、選ぶときに考慮すべき要素が多くあります。路面温度やコンディション、そして天気はほんの一部です。サーキットの特定の形状についても忘れてはなりません。例えばコーナーが多さ、ストレートの長さによって、タイヤの動作が異なります。
3.ライダーからのフィードバックを聞く
チーム全体でバイクに乗っています。一人のメンバーだけが乗っているのではありません。ライダーは実際にバイクに乗って多くのことを話すことができ、経験もまたレースに勝つためのキーになります。この情報を確実にしてこの信用を得るには、ライダーが自分の経験について話すことを聞くことが重要になります。この狙いはライダーが望む感覚を提供し、より快適でより安全な方法で運転できるようにすることです。
4.チームとして動く
レース前はこれらの情報をすべてまとめる時間です。どのチームのメンバーも週末を通して行った仕事をベースにバイクのパフォーマンスを改善する方法を意見します。集まった情報はすべて重要で、各技術者の意見がチームの最終決定に役立ちます。技術者のトップをライダーは最終的な発言権を持っているが、決定はチームとして全員によって下されます。
5.将来のレースのための情報収集
レース中も含めて、GPを通してチームによって集められた情報は、ホンダに送られるファイルに保存されます。そこでは技術者が次のレースを越えてもっと先の未来への広い展望でバイクを改良する決定を行います。この情報はバイクの絶え間ない開発に貢献し、ホンダRC213Vを競技用バイクに位置づけることになり、ひじょうに重要です。
これをすべてやれば、モトGPのレースで優勝するチャンスがさらに大きくなります。運、ライディングスキル、ライダーのやる気、レース中のアスファルト・コンディションの変化など、私たちがコントロールできない要素を過小評価してはなりません。そのような場合、ライダーと機敏さが勝つチャンスを決定する上でより重要な要素になります。