2年に1度開催される世界最大級のモーターショーであるIAA(通称フランクフルトモーターショー2017)が9/12~24の期間、開催されました。
BMWグループは、他社を圧倒する台数のワールドプレミア(世界初公開)を行いましたので、その一部を紹介いたします。
まずは、コンセプトカーのi ビジョン・ダイナミクスです。
EV(電気自動車)の4ドアセダンで、i3・i8に続くiシリーズ市販車第3弾のコンセプトカーだと思われます。
実はiシリーズの中型車(i5)は、以前からその登場が噂されデザインが日本でもパテント申請までされていたのですが、クロスオーバーに変更になったとか、発売がキャンセルになった等の噂もありました。
このi ビジョン・ダイナミクスはそれらの情報とはデザインが明らかに異なるので、4ドアクーペ調のスタイリッシュな方向に仕切り直しをしたのではないでしょうか。
大型のバッテリーを床下に配することが多いEVは、上下に厚いスタイリングになりがちですが、電池や車体レイアウト技術の進化によって流麗なスタイリングと室内空間の両立が可能になりました。
「左右が連続し、かつ上下に長いキドニーグリル」や、「上下に薄い切れ長のLEDヘッドライト」は、今後のBMWデザインの方向性の提案または予告でしょうか。
コンセプトX7 iパフォーマンスは、発売を予定している最大級SUVのコンセプトカーです。
前出のi ビジョン・ダイナミクスと似たイメージのグリル&ヘッドライトを備えています。
「左右が連続し、縦方向にも長いキドニーグリル」は、新しさを感じると共に、往年の名車のオマージュでもあるかもしれません。
薄いヘッドライトとの組み合わせにより、迫力に溢れたフロントフェイスです。
M8 GTEは、FIA WEC(世界耐久選手権)に参戦するために開発を進めているレーシングカーです。
発売が予想される8シリーズやM8より先に、レーシングカーが実車に近い姿で登場したのは驚きです。
空力パーツとして機能しそうなグリルの構造も斬新です。
リア・ディフューザーの造形も、極めて斬新です。
大柄なボディの軽量化と共に、空力性能も完成の域にあることが伺えます。
「排気量4.0リットル(3981cc)のV型8気筒ガソリンターボを搭載」というのも注目ポイントです。
これは、「中国対策」の表れではないかと個人的には思っています。
中国では、自動車は排気量によって消費税の税率が変えられているようで、現在の税制では4.0Lを超えると一気に高くなります。
(その影響で、ベンツやフェラーリなどのメーカーは、近年はハイパフォーマンスカーを4L以下のターボエンジンにダウンサイジングしてきました。)
ですが、BMWが現行車種に採用するV8ターボエンジンは、排気量が4.4Lです。
それを4.0Lにダウンサイズしたエンジン開発の見通しがついた上で、(モータースポーツのレギュレーションの関係もあって)M8 GTEはそのエンジンの採用を市販車に先んじて発表した、ということだと想像します。
BMWが誇る歴史的に画期的な構造を採用したV8ターボエンジンも、満を持して第2幕に突入するようです!
他にもワールドプレミアとなった車が多数ありますが、近く市販になり詳細が明らかになると思われる車もあるので、駆け足でご紹介します。
コンセプト8シリーズ
市販予定のゴージャスかつスポーティーな大型クーペで、コンバーチブルやM8の追加も予想されます。
(ティーザー画像によると、市販車はバンパーが備わることからグリルはもう少し上下に薄いようです。)
6シリーズ グランツーリスモ
5シリーズ グランツーリスモと6シリーズ グランクーペが統合され、新たに発売になります。
「広大な後席空間」と「流麗なフォルム」という、両車のいいとこ取りを実現していると思われます。
新型M5
V8ターボエンジン(排気量は従来と同じ4.4Lです)は600ps!を発揮し、全車4WDとなりました。
さらにドリフト走行に向いた2WDモードも選べ、高速長距離移動からサーキット走行までこなします!
アルピナ D5S
最大出力388hp・最大トルク81.6kgm(!)を発揮するトリプルターボ・3L直6ディーゼルエンジンを搭載した、「ディーゼル最速の量産車」です!
コンセプトZ4
新型Z4の発売も間近です。先代のリトラクタブルハードトップからファブリック(幌)のルーフに回帰し、ノーズも短くなって軽量化が図られました。
グリル内部が縦バーではなくメッシュになっているのは、328ミッレミリア等の往年のBMWロードスターを髣髴とさせます。
新型X3
日本導入も近い、3代目X3です。
高性能なM Performance版(X3 M40i)の投入も予想され、BMWの主力車種の一つとして存在感を高めそうです。
ドア開口部の下端がサイドシル下部に下がって乗降性も向上するなど、全方位的な進化が期待できます。
i3 LCIモデル(マイナーチェンジ)
バンパー形状や、ルーフの塗り分け等が変更になり、より精悍になりました。
モーターの出力を上げ、スポーツサスペンションを新採用したi3sも発表になりました!
「This is tomorrow. Now. = 今が未来だ」というテーマと共に、
2025年までに12種類のEVを含む25の電動化モデルを市場投入する計画も発表しました。
BMWの手によるEVやPHEVは、新しい「駆け抜ける歓び」を創出します。
今後の商品展開にご期待下さい! G.Sekido