
7代目ゴルフの最強モデル R は昨年の輸入車試乗会でも試乗しましたが、このモデルに6速M/Tモデルが追加されましたので、今年の試乗会でチョイスしてみました。

7代目ゴルフは、2013-2014 日本カー・オブ・ザ・イヤーを輸入車で初めて受賞するなど、その完成度についてはご存じの通り。
そのパッケージに、歴代ゴルフ最強の280ps までチューニングされたエンジンを搭載し、伝統の4MOTION、専用スポーツサスペンションなど、究極のホットハッチに仕上がっています。

一見シンプルながらもスポーティなコックピットは必要にして十分ですが、スピードメーターがそんじょそこらのゴルフとは違うことをささやかに主張しています。

そして今回選んだモデルには、6速マニュアルトランスミッションが組み合わされます。
MTモデルがどんどん無くなっている昨今、新たにMTモデルをラインアップに加えるというインポーターの決断には、拍手を送りたいと思います。

早速乗り込み、シフトを1速に入れそっとクラッチをミートすると、意外簡単に滑り出します。ただ野太いサウンドが R であることを意識させてくれます。
クラッチは軽やかでシフトフィールもスムーズ。
今のM/Tは、操作系は従来通りにも係わらず、小さなおじさん(笑)が隠れてクラッチやシフトをサポートしてくれているようです。

でも、やはりそこはM/T。
自分で操っている感覚は、他の何物にも代えがたい面白さがあります。

西湘バイパスを走っていくと、アクセルの踏み込みに物足りなさを感じる悪魔の脳と理性の脳との闘いが続いていました。

この車で走行していて、もし国産車に煽られたりしたら、やり過ごして逆に後ろから煽りまくりそうな感覚に駆られそうです。やばい!

そんなレーシーな車ですが、4ドアハッチは使い勝手もよく、羊の皮を被った狼という形容がぴったりです。

この狼の心臓部は、2.0Lの TSI エンジン。
今や2Lの排気量があればかなりのパフォーマンスが期待できますが、燃費向上などの環境課題も含めての性能アップは、フォルクスワーゲンならではの技術の賜物のはず。

実は、ゴルフにRモデルが登場したとき、どうしてもVR6とかR32といったV6モデルを想像してしまいました。
そんなV6モデルをも凌ぐパフォーマンスは、Racing の " R " に恥じないものですが、6気筒の気持ちよさにはどうしても届いていなように感じます。
500万円を超える価格設定が妥当なのか否かはそれぞれの価値観に委ねることになるかと思いますが、400万円少々でV6エンジンを搭載したゴルフが手に入った時代を知っていると、どうしても高い買い物のように感じてしまいます。

時代の流れと言われればそれまでですが、5ナンバーサイズのゴルフに搭載するために狭角6気筒エンジンを開発したように、フォルクスワーゲンの底力を期待するのは筆者だけでは無いはず。

「VWはやっぱ凄いわ~」
と言わせるのが、これからのフォルクスワーゲンの大きな課題であることは間違いありませんね。
【主な諸元】
全長×全幅×全高:4,275mm×1,800mm×1,465mm
車両重量:1,500kg
エンジン種類:直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボ
排気量:1,984cc
最高出力:206kW(280ps)/5,100-6,500rpm
最大トルク:80Nm(38.7kgm)/1,800-5,100rpm
トランスミッション:6速M/T
JC08モード:13.9km/L
メーカー希望小売価格:5,390,000円(税込)
【公式ホームページ】
http://www.volkswagen.co.jp/ja/models/golfr.html
reported by ハクナマタタ
February 14,2016 Sun
CATEGORY:
JAIA輸入車試乗会2016