決勝は、ARTA M6は10周目までは安定したペースで2番手を引き離していたものの、水温が著しく上昇してきます。 高木選手は車を労りながら走行を続けるものの、2位のHitotsuyama Audi R8 LMSが迫ります。 (R8は今戦でBoPが+35kgから+15kgへと軽減され、競争力を増しました) 車列の中を走るStudie M6は冷却がさらに困難で、大幅にパワーダウンしシフトチェンジも不調になります。
暑い日本の気候に対しては、M6 GT3は冷却性能がまだ万全では無いようです。 首位を走るARTA M6の背後にHitotsuyama R8がピタリと着け、オーバーテイクされるのは時間の問題と思われましたが・・・ GULF 911との接触が元でR'Qs SLSのボンネットが外れ、その影響でセーフティーカーが導入されます。 そのためARTA M6はエンジンとタイヤをクールダウンすることができ、なんとか息を吹き返します! (その一方、Studie M6はスローダウンし、大きく順位を落としてしまいます。) さらにARTA M6にとって追い風になったのは、ピット作業がライバル車両より6秒も早かったことです。 (見事なチームワークに加え、水温上昇したエンジンがセーフモードに入りかけて燃料消費が減ったことにより、給油時間が短くなったことも要因のようです。) その後もR8が背後に迫りますが、小林選手は(時には土屋 圭市エグゼクティブ・アドバイザーに無線で励まされながら)渾身の走りを続けます。 そして・・・! ゴールラインまで何とかR8を押さえきり、ARTA M6が今季初優勝を飾りました!! なんとその差は0.109秒という激戦でした! M6 GT3のSUPER GTの初勝利であり、BMW勢にとっては一昨年の第6戦以来の優勝です! ベテラン&若手ドライバー&チーム、マシン、タイヤ、そして運、その全てが噛み合った涙の優勝でした! おめでとうございます! これにより、ARTAはチームランキング・ドライバーランキング共に首位に立ちました! 一方Studie M6のステアリングをミューラー選手から託された荒選手は、水温の高さに悩まされながら懸命のドライビングを続けます。 その結果、20位で完走し、チームポイント1点を獲得しました。 荒選手は1分40秒台というこの日の決勝レースベストタイムを更新したことからも、M6 GT3 + ヨコハマタイヤの競争力の高さが窺えます。 第5戦(第3戦は中止になったので実質的に4戦)を終え、残りはまだ4戦ありますので、後半戦での挽回を期待します!
ドイツ車同士の激戦を制したM6 GT3は、今週末は第6戦:鈴鹿に挑みます!
伝統の鈴鹿1000km耐久レースであり、大量得点のチャンスです! (今週末は弊社では、先日のブログでもお伝え致しましたi8の特別試乗会を開催いたします) ぜひ、晩夏に魅せるBMWの走りにご注目ください! G.Sekido