カッコイイと思っていた車の写真も、楽しく描かれたイラストを見た後に見直すと、その表情で見えてくるのが面白いです。 人間は、「3つの点でも顔に見える現象」があるほど、本能的に「顔を認識しようとする力」が強いようですが、車に対しても当てはまりますね。 話は変わって、BMWのフロントフェイスについてですが・・・。 BMWの現行ラインナップの「顔」は、全モデルでの共通性に加え、
モデル間での「連続した変化」があるのをご存知でしょうか...? 1 series 2 series (coupe) 3 series 4 series (coupe) 5 series 7 series
(画像は全てM Sportです)
いずれもBMW流の精悍なフロントフェイスながら、ある規則性を保ち変えられています。
連続性が分かりやすいように、ヘッドライトとグリル部分を並べますと・・・。
シリーズの数字が大きくなるごとに、 ヘッドライトとキドニーグリルが横長になり、お互いに寄り添うようにつながって、 さらにつながっている部分が次第に太くなり、一体感を強めているのです! (ちなみに5シリーズと7シリーズは、左右のキドニーグリルの間もブラック・アウト処理されています) イメージ的には、【カジュアル → ゴージャス】、
または、【スポーティー → ラグジュアリー】という変化のように思えます。
個人的には、大きいモデルほど「憂いを含んだ眼差し」のような、「目頭がうるんでいる」ようなイメージも受けます(^^;ゞ 発売順では、3シリーズ(2012年)→4(2013年)→2(2014年)→1(2015年)→7(2015年)→5シリーズ(2017年)となります。
なので、ヘッドライトとグリルの一体感は「新しいモデルほど強い」わけではありません。 このような連続性を持った並びになるように、意図的・計画的に、5年がかりで成し遂げられたように思えます。
(Z4や6シリーズは独自路線ですが、Xシリーズはこの「連続した変化」にほぼ準じています) 「イメージの変化の一貫性」があると同時に、「フロントフェイスだけでもモデルを判別できる」と思います。
ベンツやアウディも、「ファミリーフェイス」と呼ばれる共通性の高いデザインを採用していますが、各モデル間の類似性は無秩序で、「微妙に違うけどどのモデルなのかよく分からない」と思います。 それに対し、BMWのデザイン戦略は緻密かつ深遠だと思います! BMWのデザイン戦略は、モデル間に加え、世代間でも緻密かつ深遠です。 テクノロジーの進歩や、時代の要求等を踏まえ、緩やかに変化させています。 某社の車のように、「四ツ目」にしたかと思えば「二ツ目」に戻したり、急にガバっと縦に長いグリルに変えたりすることは、デザインの歴史・蓄積や、お客様を軽んじていると思います。 「BMWの顔」には、そんなBMWの商品哲学が表れていると思います! そして、「BMWの顔(Face)」つながりで・・・