フォード フィエスタWRCや、ベントレー コンチネンタルGT3など、様々なモータースポーツのトップカテゴリーに長年参戦している M-Sportが 「PANDA 4×4」のカスタムメイドのラリーマシンを製作した。
今回発表されたパンダは、M-Sportが新たに立ち上げた M-sport スペシャルビークル (MS-SV)における製作車両第一弾となる。
この部門は、新時代の特注品、少量生産のプロジェクトを請け負う部門であり、今回発表のパンダは顧客の「世界に1台しかないパンダを作る」という要望により実現した。
元は標準のパンダであるが、職人により徹底的に作りこまれグラベル、ターマック共に走行が可能なモンスターマシンに仕上がっている。
ベースシャシーは今も現役で世界中のカスタマーにより勝利数を伸ばし続けている初代フィエスタR5である。
そのままフォードのシャシーに載せるパンダのスリムなボディからは大きくはみ出してしまう。
ボディそのものをワイドにすることも選択肢の一つであるが、パンダらしさを損なうことは絶対に避けたい。
そこで、M-SportはグループBを彷彿とさせるワイドフェンダーを取り付けた。その延長幅は360mmにもなる。
PANDA M-Sportには、1.6Lのフォード・エコブーストエンジンを搭載。最高出力300馬力、最大トルク450Nmを発生する。
サデフ製5速シーケンシャルギアボックスに、専用のフロントとリヤのデファレンシャルユニットを組み合わせている。
インテリアはオリジナルのPANDAのダッシュボードをベースとしながらも、6点式ハーネスにFIA公認ロールゲージが張り巡らされ安全性も抜かりない仕上がりとなっている。リヤシートを取り外せば現代のラリーカー同様スペアタイヤも搭載できる徹底したこだわりぶり。
そして、リヤハッチには職人による手作業にて「PANDA 4×4」のエンボス加工を施し、初代PANDAに敬意を表す。
MS-SVはM-Sportの歴史に新たな1ページを刻み、今後の発展を期待させるには十分な1台に仕上がっている。