witten by 嶋田智之
世界中
うんうんする
36


前回の鼻歌による音痴なイントロみたいな第1回目じゃなくて、本格的な最初のコラムは何をネタにしようかなぁ……なんてウカウカしながら考えてるうちに、デビューしちゃったじゃん!
 
いや、予想はしてた。というか、知ってた。これぞ業務上役得。でも、ちょっとだけ、だ。ディテールまではもちろん掴んではいなかったし、シチュエーションがシチュエーションだったからアレがナニで……(ゴニョゴニョ)……だったからさー。
 
……え? あ。いや、ひとりで興奮して申し訳ない。意味不明な発言もお許しいただきたい。そこは今の段階ではクチにすることが憚られるので、この3月26日に発売される『ROSSO』誌で確認していただけるとウレシイ。原稿を書かせてもらうから。たぶん。
 
で、いったい何をこうも興奮してるのかといえば……まずはこの動画を視てちょーだいませ。
 
 
 
 で、それから下の写真を見てちょーだいませ。上の動画が明確な意志を持ってコッソリと予告していたのは、このクルマのデビューだったのだよねー。
 
001.jpg
 
そう、アストンマーティンDB11。2003年からこっち、アストンのラインナップの中心的なモデルとして、アストンの世界観を世に伝え続けてきたDB9の後継となるモデルだ。当然ながらアストンの代名詞ともいうべきV型12気筒エンジンを搭載してるわけで、動画は「このエンジンを載せてDB11をもうじきデビューさせるから、楽しみにしてて」というメッセージだったというわけ。
 
002.jpg
 
いやー、カッコイイ。超カッコイイ。実物、シビレるから。間違いなく。クラシックでありモダンでもある、もはやアストンマーティンの独壇場ともいえるエレガンス。予告されていたとおり、『007 SPECTER』で僕達を唸らせてくれたDB10や24台しか作られない随の随みたいなヴァルカンに見ることができた、新しいライン構成や面構成、それにディテール。アストンマーティンらしいスタイリングデザイン上の黄金比はしっかりとキープされていて、溜息が出ちゃうぐらい美しい。観察するより何より、見惚れちゃったぐらいだからねぇ……。しかも、今の超高性能スポーツカーでは絶対に無視することができないエアロダイナミクスの追求も、GTウイングとかそういう方法に手を伸ばすことなく、だけどちゃんとやってたりする。
 
003.jpg
 
インテリアも、御覧のとおり。派手さとは無縁なんだけど、どこかほんのりと華やかで、ここに収ることができたら、間違いなく夢見心地。デザインそのものは変わってるのだけど、そういうところはちゃんと継承されてるのだねぇ。
 
んーでもって、上の動画のV12でしょー。アストンのV12は以前からターボ化が噂されていて、ファンの間には「えー! あの世界一美しいアストンV12サウンドがなくなっちゃうわけ?」と拒絶に近い反応をしてた人も少なくないんだけど、ダウンサイジング系(というわりには5.2リッターもあるけど)ターボとは思えないぐらいの、気持ちが震えるような快音でしょ? 前にアンディ・パーマーCEOとお話ししたとき、彼は「心配は要らないよ」みたいなことをおっしゃってたけど、全くそのとおりだった、っていうわけ。
 
ちなみにパワーとトルクは608ps/6500rpmと700Nm(71.4kgm)/1500〜5000rpm。個人的には700psとか750psとかまで引き上げようとすればできるのにやらない、抑えの効いたレベルに収められてることに、とっても安堵しちゃった。これまでの自然吸気V12もそうだったけど、パワーウォーズに加担することなんかより、自分達の持ち味を磨き抜くことをずっと選択し続けてる、っていうことだからね。きっと最高に気持ちいいエンジンに仕上がってるのだろうなぁ……って思う。
 
004.jpg
 
プラットフォームは新設計だし、サスペンションも当然ながら新設計だし、しかもトルクベクタリング・システムまで備わって……なんて、手に入れた資料を見れば見るほど「早く乗りてー!」っていう気持ちが膨らんじゃう。楽しみで楽しみで、妄想が暴走はじめて、抑えるために……飲みはじめちゃった。
 
ホントは“今いちばん面白いスポーツカー・ブランドってアストンなんだよねー。なぜならば……”っていうところまで話を持っていこうと思ってたんだけど、もう飲んじゃったからなー。いや、だって、飲まずにはいられないでしょ。嬉しくて。
 
ってなわけなので、そっちの方は、また次回。何日か後にね。……たぶん。
 
 
追伸:あ。こんな動画も公開されちゃった。見て見て見て見て。DB11のこと、もうちょっとよく解るから。
 


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witten by 嶋田智之
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昔のアルバムから:キプロス島の民家の玄関前でダラ〜ッと惰眠を貪ってる、旧いシトロエン。もったいないと思う前に、なぜだか「似合ってるなぁ……」と感じちゃったのだった。これもひとつのクルマの生き方、かも。
 
皆さん、こんにちは。嶋田智之です。このたびちょっとした縁がありまして──というか“カーくる”主宰の外狩さんと“新舞子サンデー”ディレクターの猪飼さんという仲間達の口車に乗せられるようなカタチで──こちらのコラムをスタートさせていただくことになりました。はじめまして! の方も多いことかと思いますので、今回は御挨拶を兼ねて自己紹介などを少々。
 
はて、嶋田智之なる男は、果たしてナニモノか──。
 
はい。社会の片隅で細々と自動車関連の記事を書いて暮らしている、いわゆるモノ書きです。自動車ジャーナリスト? 自動車評論家? んんん……いや、ヒト様がどう判断され、どう呼んでくださるのかは別として、自分としては“ちょっと違うよなぁ(^^;) ”と、汗を流した顔文字つきで思っちゃったりしています。
 
だって、例えば生産台数わずか数台の貴重な名車だとかマジメに1000psみたいな激しいクルマとかには試乗させていただいたことはあっても、日本で一番売れてるクルマには触れたことすらなかったりするし、スポーツカーの歴史に大きく名を残す人物にインタビューさせていただいたり伝説的なレーシングドライバーとグラスを合わせる幸福な体験をさせていただいたことはあっても、日夜“理想的なファミリーカーとはどうあるべきか”と熟考しているエンジニアのような方々とマジメにお話をしたことがほとんどなかったりするのです。やたらと偏ってます。それなのに評論家だとかジャーナリストだとかの立派な肩書きを自ら名乗ったりしたらバチが当たるし、本当の評論家やジャーナリストの皆さんに失礼だと思うのです。そもそも評論してるつもりもなければジャーナルなこともあんまりしてないし……。なので、自動車ライター。それがちょうどいいところでしょう。
 
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昔のアルバムから:トリノの街をほっつき歩いてるときに見つけた、埃と錆びにまみれてガレージに佇むアルファ・ロメオ。ここの家の若い兄ちゃんが出てきたから訊ねてみたら「これ? じいさんが乗ってたクルマだよ。これからキレイにするんだ」だって。
 
いや、選んでるわけではないのです。メディアの仕事は基本、オファーがあってこそ。「コイツにコレについて書かせよう」と考えてくださる方からのオファーがあって、初めてスタート地点に立てるようなものですから。
 
ならば何ゆえ偏ってるのかといえば、それは前職が大いに影響してるのでしょう。僕はフリーランスになる以前、長いこと自動車雑誌の編集者をしておりました。圧倒的に長かったのが、昔も今も自分達が楽しいと感じることしか誌面にしない『Tipo』であり、他に“エンスーの総本山”と呼ばれる『Car Magazine』やスーパーカー&高級車専門誌といえる『ROSSO』にも関わってきました。つまり、スポーツカー、スーパーカー、ヒストリックカー、イタフラをメインとする輸入車といった、趣味的なクルマの世界にドップリと漬かって生きてきたわけです。自分では“そういうの専門”だなんて思ったこともありませんが、周囲から「あんたはそっちでしょ?」と思われるのも、当然といえば当然でしょうね。
 
ただ、それが不満というわけでは全然ないのです。むしろ、ストレートに「おお、楽しいな」「ああ、気持ちいいな」「うひゃ、これ凄いな」と感じられるクルマは大好きだから、性に合ってるのかも知れません。仕事もめちゃめちゃ楽しく感じています。遅筆すぎて締切が重なると圧倒的な睡眠不足に陥ることを除けば。
 
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昔のアルバムから:シチリアのタルガ・フローリオのコースから少し外れて中に入った裏路地あたり。現役の“生活の道具”として使われてる、錆びだらけのバンビーノ。こういうシーン、いいなぁ……と心から思う。
 
ともあれ、楽しいクルマ達とたくさん接してくることができたおかげで、『トリコローレ』や『ミラフィオーリ』といったクルマ好き達が集まるイベントにトークのゲストで呼んでいただけるようにもなり、その辺りがきっかけで、近頃ではトークの仕事もあれやこれやと頂戴できるようになって、何とかゴハンが食べられてる、というわけです。
 
そして──誰が名付けたか、居酒屋系自動車トーク。まるで居酒屋にクルマ好きが集まってやいのやいのとクルマ談義をしてるようで、あっちへ飛んでこっちへ飛んでと落ち着きがないけど、何だかワケもなく楽しい、というホメ言葉なのだとか。データを記憶してそれを緻密に組み立てながらロジカルに語るという能力はないし、年表や資料の中にあることより目で見て耳で聞いて身体で感じたことを伝えたい性格だし、何より生き方そのものが“弾みと勢い”みたいなものですから、いっぱいあるけどひとつひとつは小さい引き出しを開けたり閉めたりしながらやってきたトークを、そんなふうに前向きに評価していただけるなんて思いもせず……。これは僕にとって掛け替えのない勲章のようなもの、かも知れません。
 
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昔のアルバムから:パリの6区を気持ちよく千鳥足で歩いてた僕を、いきなりシラフに引き戻したクルマ。まさかボートテールのベントレーを当たり前のように路駐してるツワモノがいるなんて……。
 
そんなわけでこちらのコラムも、“居酒屋系自動車コラム”と名付けさせていただくことにしました。法則性のようなモノは何ひとつなしで、今、これがオモシロイ! と感じてることを、それこそ弾みと勢いで、1ヶ月に1〜2本のペースでのんびりとやっていきたいと思っています。
 
さて、堅苦しい言葉づかいでのお話は今回のみ。次からはホントに居酒屋で仲間とクルマ談義してるときみたいなちょっとばかりラフなトーンでやらせていただきます。
 
んー、最初のテーマは何にしようかな……?
 



February 14,2016 Sun   Vol.001『Ciao Ciao Bambino♪』  




嶋田智之【tomoyuki.shimada】
エンスー自動車雑誌『Tipo』の編集長やスーパーカー専門誌『ROSSO』の総編集長を務めた後、フリーランスとして独立。「クルマ」と「ヒト」を仕事の柱として、モノ書き/編集者として活躍中。カーくるではお馴染みのイベント「ミラフィオーリ」「トリコローレ」などでゲストMCを務め、親しみのあるざっくばらんな語り口調の「居酒屋系自動車トーク」が人気。
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